挑戦の始まり

いい加減、何か本気でやりきりたいと感じていた。

実現したいことはたくさんあるけど、どれもなかなか思うように進まない。

原因ははわかってる。
どれも大きいことをいきなり始めようとするからだ。

分かってはいても、今まで何も形にすることが出来ずにここまできてしまった、という焦りが先立ってしまい、なんとか大きいことから手をつけられないかと試行し、進まずに心が折れる。
その繰り返しから抜け出すために、自分がやりたいと思ってきたことはとりあえず一通りは齧ってきたが、どれも実を結ぶには至っていない。

そんな自分にも、実は「やりたい」と思いつつ、あえてやってこなかったものがあったことに気づいたのはつい数週間前のことだった。

それはあることがきっかけだった。
それが何なのかはおこがましいからはっきりとは言えない。そもそも、いつもの通り思い込みにすぎないのかもしれない。
ただ、何度か足を運ぶうちに、なぜ僕はその場所に行きたがるのか、その理由として確からしいものにふと気づいた気がした。
それは多分思い違いだ、幻だ、そう何度考えても、そうじゃない気がしてならない。どうやら、実は自分が心の中で求めていたものか、あるいは、それに類するものが、確かにそこにあったようだった。

もしかしたら、ここに僕が本当にやりたいと感じていることがあるのではないか。

何も達成できないまま、欲求が積もり、消化不良もいいところな有様だったが、ここに来てようやく、その中から一つのものを選ぶだけの根拠を、 得ることが出来た気がした。

勿論、他のやりたいことをすべて諦めたわけではない。ただ、これがもし最初の足がかりになってくれた暁には、きっと連鎖的に他の事にもつながっていくはず。そう考えたら、ストンと腑に落ちた気がしたのだった。

こうして、長きにわたる自分の中での会議の末、ついに決意を固めたのがほんの数日前の話である。

さて、早速僕は困難にぶち当たっているらしい。
言ってしまえば、絵が思うように描けない。

頭の中には、そこそこ形になりつつあるイメージがあるが、いざそれを絵として出力しようとした際、どのようにペンを動かし、どのような図形を描けば、自分の思う通りのものが描けるのか、正直全然わからない。

もともと僕は絵が得意ではない。
小学生時代の夏休みの宿題も、休みの終盤になってようやく、嫌々ながら完成させていたほどだ。

それが、大人になった今になって、突然絵を描きたいとおもって書き始めたのだから、無理もない話だ。
そんなことを言い訳のように言ったところでどうしようもないのだが、そうは言っても何もない状態ではどうすることも出来ない。

ネットで調べては、方法を模索しているが、なかなか思うように行かない。
早速心が折れそうだ。

これは、「もっと初歩からやれよ」という啓示なのか…
既に初歩から始めようという心意気で初めているのに、さらに初歩とはどこからなのか、もはや見当がつかない。

さてどうしたものか…

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